モノ売りのメソッド(モノを売る技術について)

かつて私は売れない店長だった。
会社によっては本社による統制が厳しく、店長業務は本社の指示に従うだけというところもあるが、私がいた会社では、店長職はミニ経営者という位置付けであり、幅広い自由裁量が認められており、店舗レイアウトなども各店長が自分で考え作っていた。
私も店長として色々な施策を考え自分なりの工夫をしていたが、全くと言っていいほど効果はなかった。新店のオープンを任されてはいるので会社からは期待されていたのかもしれないが業績は悪く、いつも本社会議で吊し上げを喰らっていた。
結局は店長降格となる。ただ、必死に努力をしていたことだけは認めてくれていたようで、カリスマ店長の基でもう一度学び直せるように配慮をしていただけた。
降格して分かったことは、それまでの私は全くポイントを抑えていなかったということである。その後、再び店長に這い上がる過程や、独立後に国の販路開拓支援の中でマーケティング企画のブラッシュアップに関わる中で、多くのポイントに気づくことができたことが現在の評価につながっている。
心が歪むほど苦しかったけれど、比較的早い段階でポイントに気づくことができ、そこから人生が逆転したことを考えると、今思えば大きなチャンスだったのだろう。
「努力は裏切らない」という言葉は、半分嘘だと思う。ポイント抑えた努力は裏切らないが、ポイントが判らないまま続けた努力は徒労でしかない。
多くのポイントはご商売の家庭で育った人にとっては当たり前のことのようある。ただし、謎々の答えのように、わからない人はひたすらドツボにハマり、そこにポイントがあるということ自体に気づいていない。このことが売れないという悩みの原因である。
まだまだ勉強中の身ではあるが、ここに書いたことがあの徒労感や苦しみから少しでも早く脱出されるきっかけになれば幸いである。
目次
■ 基本的な考え方編
物を売るメソッド(技術体系・手法)の基本的な考え方について。これまでの気づきをまとめてみました。