機能→メリット変換リスト

売れるとは、”お得”であるとお客に印象付けること。
ここまでの話を一言にまとめるとそうなる。
- 最終的には理性が納得することで買うことが決定されるとしても、まず「これよさそう」と直感的にイメージさせないことには購買行動は始まらない。
- 「これよさそう」という直感的なイメージも、理性による納得もお得感があるかどうかにかかってくる。
- お得感は価値と価格の差が他のモノより広いと生まれる。差を広げるには価格を下げるか、価値を上げるかのどちらかしかない。
- 価値が高いという判断は品質の場合とメリット・ベネフィットによる場合の2つがある。どちらの判断かはお客がどちらを重要視しているかで変わる。
したがって、まず最初に品質の高さを実感させる、使用することで得られるメリット・ベネフィットをイメージさせることから話を始める必要がある。
しかし、相談に来られる人に、製品・商品の説明を求めると、ほとんどの人はその製品・商品が持つ機能について一生懸命説明される。機能の説明は、なぜその商品・製品の品質が高いのか、なぜそれを買うと高いメリット・ベネフィットを得られるのかを証明するものであって、お得感そのものを説明している訳ではない。
まずどんな価値があるのかを説明することでお得感をイメージさせ、その後で機能の説明で理性を納得させる。これが正しい順番である。
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相談に来られる人の多くは、自社の製品・商品がどんな機能をもっているかは饒舌に説明することはできても、得られるメリットやベネフィットについてはうまく説明できない。
その場合には”機能→メリット変換リスト”というワークをしていただく。このワークは次のようにおこなう。
- A4の紙の左半分にその製品・商品の持つ機能(特徴)を書き出す
- 次にその機能から導き出せるメリット・ベネフィットを右側に書き出す
たとえば、スピードが速く燃費の良い自動車の場合、「スピードが早い」という機能(特徴)から、たとえば「目的地に早く着くことができる」・「人件費の抑制ができる」・「爽快な運転ができる」というメリットが得られるのかもしれない。また「燃費が良い」という機能(特徴)からは「燃料費の削減」が導かれるだろう。
販路開拓の相談では、このワークの後に、導き出されたメリット・ベネフィットを高く評価してくれる業種・業界はどこかを考え、アプローチ方法をブラッシュアップしていく。
改めて書くが、BtoCであれBtoBであれ、最初にするのは、”これ良さそう”とイメージさせることである。
そしてそのためには、まず、高い品質とメリット・ベネフィットが得られることで”お得”であるとお客に印象付けなければならない。